哺乳類

ヒメハリテンレックは変温動物なの?恒温動物などの定義や体温調節について調べてみた。【原始内温動物?】

ヒメハリテンレック Echinops telfairi さんを調べると、
体温が低いだとか、変温動物であるとか書いてありますよね?

でも子供時代には
哺乳類・鳥類は「恒温動物」
それ以外は「変温動物」
って習いませんでした?

哺乳類なのに変温動物ってどういうこと?
ってことで実際のところどういうことなのか?
調べてみました。

ヒメハリテンレックとは

名前 :ヒメハリテンレック
英名 :Lesser madagascar hedgehog tenrec
学名 :Echinops telfairi

非常に原始的な哺乳類の仲間と言われており、
背中に針が生えていて、
昆虫を食べることから、
ハリネズミと混同されることもある子達。

でも、ハリネズミとは大きく異なります!
見てください、ビーズのような小さな瞳を!
触れてください、ただ歩くだけでなく、物を掴める器用な足に!
なんとなく存在する、なんとも言えない尻尾を!
ひんやりとした身体を!

変温動物、恒温動物とは?

まずは、そもそも論として
「変温動物」「恒温動物」ってなんなの?について話します。

辞書で調べてみると(weblio辞書)
〇恒温動物は

体温調節能力があり、外気温に関係なく、ほぼ一定の体温を維持できる動物。哺乳類・鳥類がこれに属する。

https://www.weblio.jp/content/%E6%81%92%E6%B8%A9%E5%8B%95%E7%89%A9

〇変温動物は

体温調節機能がなく、外界の温度に応じて体温が変化する動物。哺乳類・鳥類を除くすべての動物が含まれる。

https://www.weblio.jp/content/%E5%A4%89%E6%B8%A9%E5%8B%95%E7%89%A9

とあります。

なので、
哺乳類なのに変温動物ってのは矛盾してますよね!


しかし、これは言葉の定義の問題で
生物の中にはこの定義に収まらない中間のタイプの生物がいることが分かってきました。

なので、
最近は「恒温動物」、「変温動物」という言葉自体が使われなくなっているようです。


じゃあ、なんて表現すればいいの?というと、
「内温性」「外温性」「異温性」という言葉が使われているみたいです。
※詳しくは生物学者さんとかに聞いてみたいですが(^^;)

以下参照⇩

〇内温性

生物で、体温を体内の代謝で発生する熱によって維持する性質。

https://www.weblio.jp/content/%E5%86%85%E6%B8%A9%E6%80%A7

〇外温性

生物で、体温が外部環境に依存する性質。

https://www.weblio.jp/content/%E5%A4%96%E6%B8%A9%E6%80%A7

〇異温性

恒温動物で、体温が部位や生理状態によって大きく異なる性質。コウモリ・リス・ハリネズミなど冬眠を行う小型哺乳類や一部の鳥類に見られる。

https://www.weblio.jp/content/%E7%95%B0%E6%B8%A9%E6%80%A7



ヒメハリテンレックの体温

ではでは、
上記を踏まえた上で
ヒメハリテンレックさんの体温はどうなっているの?という話ですが、

人間のように、一定の体温を保つことは出来ない動物であり、
暑ければ「夏眠」し、寒ければ「冬眠」する動物のようです。

ただ面白いことに
繁殖期のメスは体温を一定に保てるようです。
2)Barry GL, Fabien G. (2008) Torpor and hibernation in a basal placental mammal, the Lesser Hedgehog Tenrec Echinops telfairi. J Comp Physiol B. 178(6):691-8.

原始内温動物が正しい?

ヒメハリテンレックさんは
体温調節の能力自体は弱い動物だと思われます。

その結果として、夏眠・冬眠を行っているので、
異温性の動物かな?と個人的には思ってます。

ですが、論文などでは
protoendotherm」と記載されており、
適した翻訳は見つからなかったですが、

「proto-endotherm」で分けて考えると
“proto” = 「最初の、原始の、前」
“endotherm” = 「内温動物」
つまり「原始内温動物」と訳せます。

まとめ

まとめとしては、
〇「変温動物」「恒温動物」という表現は最近は使ってないらしい
〇ヒメハリテンレックは体温調節が上手ではないが、体温を維持できる時期もある
〇原始内温動物 (protoendotherm) という表現が適している?

ということになりますね。

体温の維持の仕方はAかBかみたいに
ハッキリと分かれるわけではないので、
体温で言葉を明確に分けること自体が意味ないことなのかもですね。

自分自身の解釈としては、
ヒメハリテンレックさんは
「内温性」の性質ももちつつも
「異温性」の性質も持っている
ということなんでしょうね。

参考文献

1)weblio国語辞典
2)Barry GL, Fabien G. (2008) Torpor and hibernation in a basal placental mammal, the Lesser Hedgehog Tenrec Echinops telfairi. J Comp Physiol B. 178(6):691-8.

POSTED COMMENT

  1. 道春 より:

    人間の話になって申し訳ないのですが
    冬の朝起きれないのは、体温調節能力が追いついていないからなのでしょうか?

    • UMA より:

      道春さん、コメントありがとうございます。

      んー、どうなんでしょうね
      人について詳しいわけではないので
      想像の範囲になってしまうのですが、

      冬の日照時間の低下もかかわっていると思います。
      自分の中での時間のリズムは日の光で調節されるので、
      そこがズレてしまう可能性があります。

      体温ももちろん大事かと思います。
      身体が冷えすぎてしまうと動きにくくなりますし、
      個人的には冬は起床時間の少し前に、
      暖房が付くように設定すると調子よく起きれますからね。

      似たようなこと書いてくれてる記事あったんで参考にどうぞ
      https://nishikawa-nemrium.jp/column/905/
      https://epark.jp/medicalook/winter-sleepy/

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