哺乳類

ヒメハリテンレックの健康診断。血液検査の値と参照値を見比べてみた。

以前、【ヒメハリテンレック Echinops telfairi】の血液検査の参照値のブログを書いたのですが…


本当に血糖値が低いのか?
GGTの値が高いのか?

気になりますよね…

それと、参照値のデータも何の機械を使って出したデータか不明で
すぐには信用できないですね…

ということで、
自分家の子達の健康診断も兼ねて
血液検査見てみました!

いい笑顔のヒメハリテンレック

健康診断した子達

6ヵ月~2歳までのヒメハリテンレックで
元気食欲に問題がない子を選びました。
(秋冬の活性が低い時はよく分からないですが…)

方法

麻酔かけないと採血は難しそうなので
全身麻酔下で行いました。

一応使った薬なども記載すると
・ミダゾラム 0.2-0.4 mg/kg
・ブトルファノール 0.2-0.4 mg/kg
・アルファキサロン 5 mg/kg
いずれも皮下注射で行いました。

呼吸が落ち気味で恐い場合は
・ドキサプラム 5 mg/kg
も使用してます。

※エキゾチックの人は分かると思いますが、
 特に薬用量データはなく個人の裁量ですので参考までに


麻酔の効きはゆっくりな印象で30分くらいでしっかり効くかな
といった印象でした。
持続時間は1-2時間くらいでした。

麻酔中のヒメハリテンレック




採血はハリネズミに倣って
28Gの注射針で
前大静脈を狙ったり、
目視できる橈側皮静脈を狙ったりしてます。

実際の血液検査データ

項目1歳♀6ヵ月♂1歳♂2歳♂1歳?♂参照値
Glu (mg/dL)444228211960 ± 33
Cre (mg/dL)0.30.1<0.10.30.40.5 ± 0.5
BUN (mg/dL)2336395153 ± 14
P (mg/dL)3.65.24.84.43.33.9 ± 0.9
Ca (mg/dL)9.412.110.014.911.511.1 ± 0.9
TP (g/dL)4.97.86.07.36.77.4 ± 2.2
Alb (g/dL)2.94.33.64.23.95.0 ± 1.1
Glob (g/dL)2.03.62.43.02.83.8 ± 0.7
ALT (U/L)1685237893133 ± 96
AST (U/L)3121162 ± 17
ALP (U/L)421428<1023 ± 6
GGT (U/L)14115713586100124 ± 81
T-bil (mg/dL)<0.10.40.20.20.5 ± 0.3
chol (mg/dL)656198<3646108 ± 50
TG (mg/dL)59724151 ± 26
CK (U/L)460146 ± 0
Na (mmol/L)157156153157 ± 13
K (mmol/L)3.54.14.13.54.3 ± 1.3
Cl (mmol/L)121118121122120 ± 8
Osm Calc (mmol/kg)308312311
IDEXX カタリスト Oneでの測定結果と参照値1)
1)Eric RM, Murray EF. (2014) Fowler’s Zoo and Wild Animal Medicine. Volume 8. pp.278. Elsevier

実際の健康診断での血液検査でも
血糖値は低くて、GGTは高いですね!

統計処理とかせずにざっくりとした体感ではありますが、
参照値も参考として使えそうです。

それにしても…
血糖値19までいってる子もいてビビります!
そういった子もちゃんと覚醒してますし、
麻酔後の動きも正常でした。

やはり血糖に依存しない栄養源があるのか?
代謝が異常に低くて、血糖がなくても平気なのか?
機械で上手く測れていないのか?

疑問が尽きないですね。

まとめ

血液検査の参照値はそれなりに信用できそうかな?

ヒメハリテンレックは
やっぱり血糖値異常に低い
そしてGGT異常に高い

不思議生物ですね。

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